展示の刀の何を見る?
刀見に行くぞー!うぉー!と出掛けたは良いものの、いざ行って見てみたら「うん、刀だな」という印象。「今日は○○を見たぞ!」と言う満足感はあるけど正直何を見たのか後から思い出してもよく分かんない…という事ありませんか?
刀に興味持って展示を見に行き始めた頃の私がこんな感じでした。最初はこんなもんなんですよ…。
この記事では、漫然と見るのも良いけどここ注目すると面白くなって来ますよーと言う最初のとっかかりをご紹介します。ホントに最初のとっかかりですので、聞いたら「なーんだ」と思うこと請け合い。
大きさを見る
全体のサイズですね。
これは太刀か打刀か?とか考えなくて良いです。キャプションに書いてありますから(身も蓋もない)。大きい・長いなーとかちっちゃくてかわいいなーの印象でOKです。いっぱい見てると、この子は大きめだなーとか、なんとなくサイズ感が目に馴染んできます。
全体のバランスを見る
全体の形とバランスを見ます。ぐぃーん!って反ってる or あんまり反ってない。
反ってるやつでも、根本からぐっと反って先っぽに向かってしゅーっとなってるやつ、根本から先っぽまで一定にぐーっと反ってるやつ、色々です。カーブのつき方が変で、途中でズバッと切ったようなやつもあります。いっぱい見てると、この形って○○時代のやつ多いよなーとパターンが分かってきます。
切っ先の形を見る
先っぽの形ですね。これもちっちゃくてちまっとしたやつとか、長くてシャキーン☆ってしたやつ、それの間くらいのやつ、何種類かあります。これも、この形って○○時代のやつ多いよなーとパターンが分かってきます。
表面の質感を見る
いわゆる地鉄(じがね)と言われるものです。どんな種類があって〜とか覚えるのは興味が出てからで充分です。実物見て覚えた方が早いし本に書いてある模様通りのってあんまりないし(身も蓋もない)。
ものすごい細かい線が入ってたり、池に小雨が降って波紋がわーって起きてるみたいになってたり、クリームみたいに滑らかなのに霧みたいに細かい粒がキラキラしてたり、マーブル模様みたいになってたり。
見るのが楽しくなって来て、肉眼じゃ足りない!ってなったら単眼鏡の導入をオススメします。
刃文を見る
…と言いたいところなんですが、展示の刀で刃文を見るのは難しいです。
普通に置かれている状態で見えているのは大体の場合「刃取り」なので、それを見て刃文と思っているとキャプションには「小乱れ」って書いてあるのにどう見ても真っ直ぐ、どこが乱れてるんだ…?となります。この話は長くなるので別に記事を立てますね。
細工を見る
刀身に彫られた彫刻とか樋(ひ)を見ます。カッコ良い龍とか仏様とか色々ありますよー。樋も、単なる線だけとか、端っこが剣の形になってたりとか、侮れません。刀身と一緒に拵も揃って展示してあると、刀身の彫刻と拵(こしらえ)のデザインが同じイメージでコーディネートされていたり。意味を考えながら見比べるのも楽しいです。
茎(なかご)を見る
本来は外に出ない部分で、形にもいくつか種類があります。ここには目釘を通す穴が空いていたり、作者の銘が切られていたり、どういう経緯で作られたか経緯が刻まれていたりします。
また、その刀身が元からそのサイズだったのか短くしたことがあるのかも一発で分かります。
情報量がぎゅー!と詰まっているのが茎です。ここの見方も、興味が向いてからそれぞれの項目について調べてみてください。
いかがでしょうか?ホントにとっかかりです、はい。
みんな本当は意識しなくても見ているはずなんですよ。ただ、意識していないだけです。これらを意識して見るようになると、個々の形やパターンの名前を区別できるようになりたいなー、なんで違いがあるのか知りたいなーという気持ちがじわーっとわいてきます。
そうなると、鑑賞メモを取って記録したくなってくるのは自然の流れです。それらについてはまた別の記事で。
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