刃文が見える絶景ポイントを探そう

展示の刀の何を見る?」で、展示されている刀の刃文を見るのは難しい、と書きました。
刀剣専門の美術館では平均的な身長の人が普通にケースの前に立った時に刃文が見えるように置いてあるのですが、専門ではない施設ではスタッフの方が「物の形」として一番格好良い置き方をされるため、刃文が見えにくいことがあります。
刃文がどういうものかとりあえず見てみたい方は、刀剣専門の美術館に行って「これがそうかー」と納得してから普通の展示を見るというのも一つの手かもしれません。

白いところは刃文じゃないの?

これ最初は分からないもので。手に取って鑑賞する方法を習ってからでも普通に白く見えるところ「刃取り」を刃文だと思って見ていたりします。

文章で説明すると分かりにくいと思い、図を描きました。
京都国立博物館に出ていた某太刀です。確かこんな感じだったよなーとメモと記憶を頼りに描いているので、正確ではないです。

ケースの前に普通に立って見た時。

 

刃文が見える角度から見た時。

青い色で塗っているところが刃文。本当に青く見えるわけではないですよ。
真ん中は白い部分と同じ真っ直ぐ、両端に細かいうねうね模様。

実は、こんなのが見えるんです。この太刀、見に行かれた方けっこういらっしゃると思うんですが、どうでしたか?もし「えっ、上のしか見てない!?」という方は、次回の展示の際にでもぜひリベンジしていただきたいです。

どうやったら見える?

この太刀が展示されていた状態で刃文が見える角度は下の図のあたりでした。この辺からしか見えないとなると、見える角度には置きにくそうです。
ギャラリートークで学芸員さんが「探してみてください」とおっしゃったそうですが、確かにこれは探さないと無理ですね。

分かりやすいように太刀は大きめに描いてます。

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刀の前に立って上下左右に少しずつ見る角度を変えていくと、白い部分の中に違う反射の仕方をするところがあって、きれいな模様が浮かび上がる絶景ポイントな角度が見つかります。この時に見える模様が刃文です。

刃取りを刃文と思っていると、キャプションの刃文の解説と見えているものが一致しなくて「アレ?」となると思います。展示を見る時は、色々な角度を試して探してみてください。すごく豊かな表情を隠し持ってることが分かって、楽しく見られるはずです。

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