鑑賞メモを取る
展示へ行って、メモを取る。やっているところを見かけると、なんだか「分かってる人っぽい」感じですごいなーと思ったりしませんか。私は最初にメモを取りながら刀を見ているおじいちゃまをお見かけした時「すごい詳しそう…」って思いました。そしてちょっと引きました(失礼)。
鑑賞メモは何のため?
展示を見てメモを取ることの意味って何でしょう?
これはおそらく人によって違うのではないかと。スケッチをする方もいらっしゃいますし、文字情報で書いていく方もいらっしゃいますし。色々ですよね。
私がメモを取るのは、二つの理由があります。
- 後から思い出すための特徴を記録する。
- 漫然とではなく、意識的に見るため。
ひとつめは、さすがに物そのものを完全に覚えて帰れないので、地鉄の質感や刃文の見え方、刀身全体の印象を書いておくというもの。写真に写らない情報を特に注力して書いておき、後で図録と合わせて見て思い出すという使い方です。
ふたつめが意外と大事で、記録を取ろうとすると各ポイントを見極めようとします。ちゃんと見ないとメモは取れませんから必死です。反りはどれくらいか、切っ先の形はどうか、地鉄や刃文の特徴は、etc。キャプションに書いてある内容と照らし合わせて、ちゃんと見えているか確認するやり方です。
記録のための鑑賞になっていませんか
メモを取っている方をちらちら横で見ていて、なんだかなーと思うことがあります。キャプションを必死に書き写して、茎の銘を書き写してささっと次へ行ってしまわれる方がたまにいらっしゃるんですよね…。もう何回も見に来ていて、その時は記録取るだけに来られているなら良いんですけど。
せっかく現物が目の前にあるんだから、堪能しないとですよ!
もし一回だけ見るチャンスができて、やっと見られたー!という時は記録より物と向き合う方を優先していただきたいなーと思います。
すごく有名な刀であれば概要はググれば調べられますし、国宝なら写真付きでデータベース化されている上にe-国宝アプリもありますし。
刀は全体で一つの作品なので、個々の部分と全体のまとまり感の間を行ったり来たりして楽しみたいものです。木を見て森を見ず、ではもったいないです。
便利アイテムが頒布されています
どんな風に鑑賞メモをつけていったら良いか分からないという方や、フォーマット化したいという方向けに@ka_za_myaさん謹製の、鑑賞の手引きと刀剣メモ帳というナイスなアイテムが頒布されています。
使い方と使用条件はリンク先に書いてありますので、用法用量を守って正しく使用してください。
なお「これはよいものだ」と思った方は、ぜひ作者の@ka_za_myaさんに声を届けてください。
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