鑑定に特化した本

鑑賞会や鑑定会、もしくは『刀剣美術』の誌上鑑定にチャレンジする方がちらほら見られるようになったので、以前 鑑定会 4.持ち物と服装 で書いた「鑑定用の本」の記事を。

鑑定用の本は、他の日本刀の本と違って目の前にある日本刀や押形を見て、それがどのような作品かを読み解く時に使う本です。外国語を勉強するときの教科書と、海外旅行に行くときの会話集のような関係にあたります。

IT関係のお仕事をされている方には、こう言えば通じるでしょうか。通常の入門書がオライリーの「○○プログラミング入門」で、鑑定用の本は「逆引きリファレンス」のようなものです。他の仕事の方には余計分かりにくいですね…。

普通の書店に売っている鑑定用の本

鑑定会に行くと、先達のみなさまはいろんな資料を持ち込んでいます。自費出版で出されていたような簡易製本のものから、お手製の資料集、刀剣甲冑手帳(Amazon)など。

私が持っているのがこちら。『新 日本刀の鑑定入門 刃文の銘と真偽』(刀剣春秋 Amazon

新 日本刀の鑑定入門―刃文の銘と真偽

なぜこれにしたかと言うと、親方がこれの旧版(ハードカバー)を使ってらっしゃいまして。鑑定会で「これ分かりやすいで」と言われて、タイトルをメモって帰りにジュンク堂に寄ったら棚にあったからです。安直ですいません…。

内容は、他の入門書にも書いてある日本刀の歴史などがさらっと、銘の解説、各時代の形の解説、刃文のパターン、彫物の種類、真贋の見極めのポイント、鑑定会のルール説明などです。とりあえず1回通して読んでおいて、よく使いそうなページにしおりや付箋をしておくと良いかもしれません。
刃文のパターンは他の本とは違って「この刃文は誰がよく焼いている」という情報が添えられています。なので、時代→国と絞り込んで、刃文で刀工を絞り込む際に実物と本の刃文の図を引き比べて推理を固めるという使い方ができるということです。

この本は大きな書店の日本刀コーナーには大体あるようですし、備前長船刀剣博物館の売店にも置いてありましたので、刀剣の展示が行われているミュージアムショップにも入っていると思います。鑑定にちょっと興味のある方はパラ見してみてください。

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