大阪城ファミリーフェスティバル2016 公開鍛錬
大河ドラマ「真田丸」の放映に合わせたイベント「大阪城ファミリーフェスティバル2016」のプログラムで、4月29日(祝)の夕方から大阪城天守閣前広場で河内國平一門による公開鍛錬が行われました。河内國平親方と一門の高見國一さん、小宮國天さん、金田國真さんの4人。
当日の様子をちょこっとご紹介。
まず日没前の17時過ぎより、河内國平親方による刀の基本的なお話。同時に「日本刀の製作工程」の説明資料が配付されました。この資料は『写真で覚える日本刀の基礎知識(Amazon)』の30P-31Pと全く同じです。
今回は一連の工程の中で、刀の刀身を作る基礎になる部分を作る「折り返し鍛錬」のダイジェストの実演でした。実際は十数回折り返すところ、四回だけ見られたことになります。
陽が沈まないと炎の色が見えにくいとのことで、日没と共に鍛錬スタート。
刀工は炎の色で何℃まで上がっているかが分かるのですが、普段は暗いところで作業しているので屋外の明るいところだと炎の色が見えなくて仕事がしにくいというワケです。
写真では壁のようになっているところ、手で動かす「ふいご」が設置されていて、それを使って炎を大きくして行きます。この写真の炎の中には既にフレーク状にした玉鋼を積んだ台の棒が入れられ熱しているところです。
火から取り出した玉鋼の塊状になったものを槌で叩いて鍛接し、さらに切れ目を入れて折り返します。それをもう一度火の中に入れて熱したものをまた槌で叩く、繰り返しです。
火から出して一発目はぱっと火花が。綺麗だけど熱そう。
親方の仕事場の円座が焦げ焦げの穴だらけなのも合点が行きました。
暗くなってくると炎から吹き上がる火花がすごいことに。
神秘的というか厳かな感じで思わず「ほえぇー」と見入ってしまいます。
手前が親方、奥で向こう槌を構えているのが一門のお弟子さんたち。
三人のうちお二人は既に独立している刀匠さんです。
親方が手元で打つ小槌と掛け声に合わせて向こう槌を振り下ろすのが弟子の役目です。この小槌に対する向こう槌を「相槌」と言うわけですが、見ていてとにかくリズムが良い。親方の掛け声の後、すかさずキン!コン!キン!とリズミカルに槌が打ち鳴らされるのは圧巻でした。
親方の指示に従って、狙ったところに狙った強さで打てるようになるまでには修行が何年も修行が必要なのが分かりますね。
実演が終わった後、親方の質問コーナーと同時進行で向こう槌を実際に振ってみよう体験のコーナーがありました。
こんな機会なかなかないぞ!と思って参加してみたは良いものの、普通の女性には手に余る重さです。まずなかなか持ち上がりません。女性の刀工が滅多に居ない理由が分かりますね。
頑張って持ち上げてみたんですが、今度は振り下ろせずにゆっくり下ろすのがやっとでした。足元はよろけるし、背中の筋がピキッてなるしで「あ、これヤバいやつだ」と思ってゆっくり下ろした次第です。翌日筋肉痛になるかなーとちょっぴりドキドキしていたんですが、ならずに済みました。
風が強くてちょっと寒かったんですが、暗い中に炎と火花が浮かび上がる迫力のある実演でした。
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