江戸時代の町並みに入れる博物館

小ネタカテゴリにこれを入れるのはどうか迷ったのですが、小ネタだしまぁ良いかと自分に甘いところを見せて書くことにしました。

幕末を舞台にした作品を書くとき、建物や町並みの資料はどんなものを使うでしょうか。時代劇の映画やドラマ?市販の資料集?映画村のセットを自分で撮影した写真?
人によっていろいろあるかと思いますが、江戸時代の後期・天保年間の大阪の町並みをまるっと再現した博物館をご紹介したいと思います。

天保年間と言いますと、幕末より少し前の時期に当たります。幕末に活躍する人々が生まれた頃、と思うとちょうど良いですね。

大阪市立くらしのミュージアム・大阪くらしの今昔館

この博物館、天神橋筋六丁目にあるビルの中にあります。外からはそんなものがあるとは全然思えません。中に入ってみるとびっくりしますよ。

ビルのワンフロアがまるごと江戸時代の大阪の町並みになっており、照明が朝から夜、1日の移り変わりを再現するように明るくなったり暗くなったりします。それと連動して、店先の提灯に灯りがともったり。

住人たちがいないだけで、店先には商品が並んでいるし路地裏の長屋には生活用品が置かれていたりします。長屋も広めのお宅と狭いお宅、それぞれどんな人が住んでいるのか細かく設定が決まっています。
そして、最初に聴く解説の音声は上方落語の伝説、故・桂米朝師。

「江戸時代の町並み」と簡単に言いますが、江戸時代の都市建築は関西と関東ではかなり違います。
ぱっと見てすぐに分かるのが屋根の形や壁の色、格子の様式です。
また、建物の建ち並び方も、江戸では背の高い建物と低い建物が混在していたのに対し、京都・大阪では町ごとに一階・二階の屋根の高さが町内で均一になるよう細かく規定されて守られていました。そのため、京都や大阪は遠くの高いところから町を見るとビシーっと屋根の高さが揃っていたそうです。

同じ関西の中ではどうかというと、京都の様式を基準として大阪はより商業の各業種に特化した建物のバリエーションが増えます。
細かいところでは、京都の商家は店頭にあまり物を置かず客に合わせて奥から出してくる、大阪はより品揃え良く見せるために店頭にあるだけ出す、などの違いがあります。

関西の江戸時代の建物、書く機会のある方はこの博物館で体感してみてはいかがでしょうか。写真撮影はOKですし、建物と町並み再現についての詳細な資料もミュージアムショップで販売されているので、江戸時代の関西の庶民の生活資料が欲しい!という人にオススメです。

スポンサーリンク

ページのトップへ