刀の見方 かたち編その3 平安時代の太刀
この記事は 刀の見方 かたち編 はじめに から続く記事です。
刀の見方 かたち編「直刀」の次は「平安時代の太刀」です。
平安時代の太刀がいわゆる「日本刀」の最初期となります。
この時代のスタイルと前の直刀との差は、美しい弧を描く反りがついていることと刀身に「鎬(しのぎ)」が付いていることだろうと思います。
この当時太刀を持てるほどの身分のある武者は馬に乗って戦うことから、馬の上から振り下ろしたり刺したりしやすいようにこの形になったと言われていますが、これも昔のことなのではっきり「これ」とは分かっていません。
使い手の事情と作り手の事情、作りやすさや素材の性質など様々な要因が絡んだ結果だと思われます。
まっすぐな直刀から反りのついた形に変化して行った時期については平安時代の初めから中頃と言われています。
平安時代の初めには坂上田村麻呂による蝦夷征伐があり、それらの戦いの中でより使いやすい形になった、蝦夷の人々の武器から影響を受けた、という可能性も指摘されています。そうしたバックグラウンドを経て、明らかに太刀がこの形に完成したと言われているのが西暦900年代の末〜1000年代の初め頃、平安時代の中頃から後半に入りつつある時期です。
この頃には武家の勢力が拡大しておりその後の源平の戦いにつながって行くのですが、勢力が拡大するということはさらなるテリトリー拡大のために自分たちの装備を充実させるのにコストがかけられるということでもあり、日本刀の最初のスタイルがここに確立します。
このスタイルの特徴はこんな感じです。
- 全体的に細作りで長い、長いけれど重くはない
- 根元から先にかけて刀身の幅が細くなる
- 根元からぐっと反るきれいなカーブ、先へ行くとカーブの角度は緩くなる(腰反り)
- 根元からいきなり反っているので茎も当然反っている
- 切っ先は短くて小さい(小切先)
刀剣用語を使うと分かりにくくなるので、できるだけ普通の日本語で書いてみました。イメージしやすくなれば良いのですが。
おまけになりますが、ゲーム「刀剣乱舞」でこのスタイルの太刀キャラクターは三日月宗近、鴬丸、小狐丸、髭切、膝丸、鶴丸国永、獅子王などです。キャラクターが太刀を構えている絵などで形を確認してみてください。
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