刀の見方 かたち編その5 鎌倉時代後期の太刀
この記事は 刀の見方 かたち編 はじめに から続く記事です。
刀の見方 かたち編「鎌倉時代中期の太刀」の次は「鎌倉時代後期の太刀」です。
この時代にあった大きな出来事は「元寇」です。元の大軍が2回に渡って九州に攻め寄せた、外国からの侵攻がめったにない日本史上ではかなりの大事件です。
この出来事で、鎌倉時代の武士たちはカルチャーショックに見舞われます
この時代の武士たちは、馬に乗った偉い人同士が互いに名を名乗りあってから戦う一騎打ちがメインかつ花形だったのですが、大陸ではそんな戦い方はしません。これは別に鎌倉武士がお行儀が良かったということではないです。そういう「戦争のお作法」をローカルルールとして作り上げていたというだけの話です。
全然戦闘スタイルの違う敵とやり合うハメになった鎌倉時代の武士たちも、順応性の高いところを見せつけて元軍を撃退します。最近の研究では鎌倉武士たちの割とアンタッチャブルな戦いぶりが分かって来ているので、興味のある方は調べてみると面白いかもしれません。
この事件の後、鎌倉武士たちの戦闘スタイルも変化して、一騎打ちメインから集団戦へと移行します。そのため、鎧もガチガチに身を固めるのではなくて軽めの動きやすい形へとマイナーアップデートします。
対する武器も、攻撃範囲が広くなるよう全体が長くなりつつ扱いやすいように軽く、突き刺しやすいように切っ先が長くなり始める、ということで上のようなスタイルに移行します。
このスタイルの特徴はこんな感じです。
- 刀身は長め
- 根元から先にかけての幅の差が少ない
- 根元から先にかけて全体的にカーブがついている、カーブの中心は刀身の真ん中あたり(中間反り)
- 切っ先はやや長め
- 刀身が細めのものは平安時代末期〜鎌倉時代初期の形に似ている
今回もできるだけ普通の日本語で書くようにしています。
ゲーム「刀剣乱舞」でこのスタイルの太刀キャラクターは今のところ居ません。この時代に作られたのは不動行光です。
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