初めての刀剣市

普通の人はおそらく滅多に足を踏み入れる機会はないであろう、それが刀剣市です。今回はその知られざる世界(大げさ)をご紹介します。
では、さっそく。実際の刀剣市はどんな様子でしょうか?
以下の写真をご覧ください。2019年のGWに京都みやこめっせで開催された「京都刀剣まつり」の様子です。

京都刀剣まつりの様子

京都ですので、関西圏の刀剣商がそれぞれ商品を持ち寄り、販売しています。入口で近隣で行われる似たような催しのチラシをもらえますので、情報収集にも良い機会ですね。
これはメインの部屋の様子ですが、隣の部屋で甲冑の講習会や居合の演武なども行われており、大概の場合観覧無料、販売以外の催しもあるお祭り的なイベントです。東京で行われる全国規模の刀剣市の場合は事前に出品カタログが制作されますが、地方規模の開催の場合はカタログはありません。行ってみるまで何があるか分からない、出たとこ勝負です。

販売される商品は、刀剣、拵、鍔などの刀装具、甲冑、鉄砲、刀袋、手入れ道具、展示会の図録、刀剣書、根付や煙管などの小型の古道具類。刀周辺の商品を見つけに行くにも良い場所です。
ただ、販売されているからと言って何か買わなければいけないかというと、そういうことはありません。

手に取って見てみたい刀や刀装具はケースから出していただくことも可能です。
ただし、その場合はそれらの鑑賞時の扱いを知っていることが前提になりますので、手で持ったことのない方はその旨をお店の方に伝えて、持ち方を教わってから出していただくようにしましょう。

今回、顔見知りの刀剣商のみなさん数名に雑談ついでに聞き取りをしました。同じ質問をしたらみなさん大体同じ答えだったので、まとめてあります。
ちょっと興味あるなーという方はご一読ください。

質問:初心者が刀剣市に行く場合、心構えのようなものはありますか?
答え:博物館や美術館と違って売っているので、ただ単に「きれいだなー」と鑑賞するだけではなく、物と値段を見て、どういう物にどれくらいの値段がついているのかを見て考えると良いですね。最初は相場も物の良し悪しも全然分からないのが普通なので、出ている物がどういう物なのか刀屋さんに質問して教えてもらうところから始めると良いでしょう。

質問:刀屋さんに話しかけると売り込みをされそうで怖いという人もいますが。
答え:刀剣市でお初の人に本気で売ろうという刀屋さんはあまり居ないですね。価格帯によってはそういう人も居るのかなぁ?高額だし、古美術は買う人も勉強が必要だから、今日初めて会ったお客さんに無理に売るようなものではないです。でも運命の出会いがあって、どうしても欲しいんです!って言われたらもちろん売りますよ(笑)。

質問:初心者がものすごく簡単なことを質問しても笑われませんか?
答え:みんな最初は何も知らないので、大丈夫です。特に若くて詳しい人はこういう所によく来られるので、大体どこかの刀屋さんや他のお客さんと顔見知りです。どなたとも顔見知りでない様子なら、初めてだったりまだそんなに来たことがない方ということなので、こちらもそのつもりで見ています。そういう人には、いろんなことを覚えていただいてうちのお客さんになって欲しいので、どんどん質問して欲しいですね!

いかがでしょうか。刀屋さんと仲良くなると、良いお客さんになるように色々なことを教えていただけるようです。本で読んでも分からなかったことなど、この機会にプロに質問してみるのも手ですね。

ただ、普通の買い物のように、棚にあるものをレジへ持って行ってお金を払うという世界ではありません。お店の人とお客さんが割と濃いコミュニケーションを取ることが基本になっている世界ですので、初対面の人と話すのが苦手な方には少しとっつきにくいと思います。そういう場合は、お友達同士、二、三人で足を運んでも良いかもしれません。

数十万や数百万の値札があっちにもこっちにも置かれている刀剣市、ぜひ覗いてみてください。展示で見たことのある刀工の刀についている値札を見るのも結構楽しいですよ。

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