大阪城天守閣へ行ってみよう
前回の「大阪歴史博物館へ行ってみよう」に引き続き、大阪・谷町界隈の施設をご紹介します。
大阪城天守閣です。大阪のランドマークとしてあまりにも有名な天守閣ですが、内部は博物館になっています。ご存知でしたか?
まずは行き方から。
最寄駅はJR環状線・大阪城公園駅、森ノ宮駅、大阪メトロ谷町線・谷町四丁目駅、天満橋駅、JR東西線・大阪ビジネスパーク駅、の5つです。
というのも、大阪城の城跡は「大阪城公園」という大きな公園になっており、その周囲を取り巻くように駅が点在しているからです。下の地図を見ると一目瞭然ですね。
天守閣まではどの駅からも公園の中を15分〜20分程度歩かなくてはなりません。
JR大阪駅からならJR環状線が便利なので大阪城公園駅か森ノ宮駅で降りると良いですし、地下鉄で移動するのであれば谷町四丁目駅が良いでしょう。
大阪城公園駅から公園に入ると、飲食店・コンビニ・ランニングステーションがまとまった「JO-TERRACE OSAKA」という施設があります。遠方から来て「天守閣まで歩く前にひとまず食事と休憩が取りたい」という方はこちらが良いかもしれませんね。
お城が好きな方であれば、谷町四丁目駅から城の正門にあたる「大手門」を通って本丸に進むルートをオススメします。天下の名城を体感してください。
では天守閣の話をしましょう。現在の大阪城天守閣は豊臣時代から数えて3代目にあたり、全国に先駆けて1931年(昭和6年)に再建された復元天守です。構造は鉄骨鉄筋コンクリート造、広場から最上階までエレベーターを乗り継いで車椅子で最上階の展望室まで行けるようになっています。
つまり大阪城天守閣とは、天守閣型の8階建の総バリアフリービルなのです!
昨今はやりの「史実に忠実な復元」からすると、どこが復元やねんとツッコミを入れられてしまいそうな建物ですが、この天守閣は国の予算ではなく大阪市民と企業の寄付を集め当時の最先端工法で建てられたもの、市民の手によって築かれた財産です。この点は史実に沿って復元された城にも負けていない、誇って良いものだと私は思っています。
天守閣内部は豊臣秀吉の生涯と大坂の乱(冬の陣・夏の陣)についての常設展示があるほか、戦国時代や安土桃山時代の大名たち、江戸時代に大阪で活躍した刀工のテーマ展などが特別展として開催されます。
特に大坂の乱についての常設展示は、戦いの様子を描いた「大坂冬の陣図屏風」「大坂冬の陣図屏風」と、それらを元にして夏の陣での真田信繁隊と松平忠直隊の戦いの様子をミニチュアで再現したジオラマなどが見られます。
大坂の乱について知りたい方は常設展をぜひご覧ください。
では、最後に天守閣の前にある広場について。
刀剣乱舞をプレイしている方に少し思い出していただきたいのですが、大阪城イベントの紹介にこんな文章があります。
大阪城の地下には本物の大阪城、豊臣家が作った大阪城がある。
そこに、昭和の陸軍が工場を作り、今ではよく分からない何かになっていた。時の政府はかつての大阪城を調査することに決定し刀剣とともに審神者なるものを送り出す。
大阪城の地下にある「本物の大阪城」、そこに工場を作った「昭和の陸軍」。これが天守閣前広場を楽しむキーワードです。
様々な催しが行われる天守閣前広場ですが、隅の方に工事現場のように囲いで区切られた場所があります。ここでは豊臣時代の大坂城の石垣の発掘が行われており、ふるさと納税を利用した「大坂城豊臣石垣公開プロジェクト」で一般公開するための準備が進められています。
今の大阪城本丸の中心部は、夏の陣で豊臣家が滅びた後に徳川幕府によって大規模な盛土がされた上に建っています。そのため、地面の下には豊臣時代の城が焼け落ちたまま眠っているというわけですね。
さらにこの広場にはミライザ大阪城(下の写真)という、お土産屋さんやレストラン・カフェが入っているおもてなし施設があります。
こちらは1931年に大阪城天守閣用に集められた寄付金を使って旧陸軍の第四師団司令部庁舎として建てられた建物で、戦後は大阪市立博物館として利用されたあと、リノベーション工事を経て2017年にリニューアルオープンしました。
明治から敗戦まで、大阪城と周辺は陸軍の所有とされ、周囲には軍の施設や物資の製造工場「大阪砲兵工廠」や「大阪被服支廠」がありました。特に大阪砲兵工廠はアジア最大の軍事工場として知られています。
先ほど挙げたイベント紹介文に登場する「昭和の陸軍」はこの庁舎を使っていた第四師団、地下に作られたという工場も陸軍のための軍事工場であろうと思われます。
旧陸軍第四師団庁舎・ミライザ大阪城はそれらの名残を感じさせる建物です。
大阪城天守閣は、歴史好きな人には楽しめるポイントがあちこちにある場所です。今回ご紹介した以外にも大阪城公園内には中世から現代に至るまでの様々な史跡が残されていますので、時間のある方は公園内を散策してみてくださいね。
それでは良い遠征を。
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