刀の見方 かたち編その6 南北朝時代の太刀

この記事は 刀の見方 かたち編 はじめに から続く記事です。
刀の見方 かたち編「鎌倉時代後期の太刀」の次は「南北朝時代の太刀」です。

南北朝時代の太刀

この時代は鎌倉幕府から室町幕府への移行期です。

『太平記』に描かれた戦乱の時代で、太刀は鎌倉時代の後期よりさらに大きく長く、絶対殺すマンな形に変わって行きます。
この当時の戦闘は騎馬の武者による集団戦でリーチの長い武器が大活躍するため、武器も大きいものや長いものが作られました。馬上から振り回すのに大太刀が活躍したのもこの時代です。
大河ドラマ「太平記」の戦闘シーンを見ると、きらびやかな鎧を身に付けた両軍の騎馬軍団が草原で激突する迫力ある場面が展開します。

馬上から太刀や大太刀を使って、同じ馬上の敵や足元から長い柄のついた武器で打ち掛かってくる歩兵に対して振り下ろす、そういう戦い方ですね。
すぱっと切るよりは叩き切るイメージかもしれません。
そして、突き刺すのにも良いように切っ先は長く伸びています。長くなった反面、扱いやすいように刀身の厚みは薄く、長さの印象ほどには重くありません。戦いの間に簡単に折れてしまわないよう、曲がるが折れない刀の作り方が追求された時代です。

このスタイルの特徴はこんな感じです。

  • 刀身はすごく長い
  • 幅広でゴツい印象
  • 根元から先にかけての幅の差が少ない
  • 全体的にカーブがついている、カーブの中心は刀身の真ん中あたり(中間反り)
  • 長いので全体を見るとものすごくカーブがついているように見える
  • 切っ先はすごく長い

ゲーム「刀剣乱舞」でこのスタイルの太刀キャラクターは江雪左文字です。
また、磨り上げられる前、太刀のサイズであった頃の宗三左文字や大倶利伽羅もこれに相当します。

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