愛刀とキャラ設定

もう随分前になりますが、「三匹が斬る!」という時代劇のドラマシリーズが放送されていました。子どもの頃、祖母と一緒に見た記憶があります。

このドラマは、それぞれの理由から旅をしている三人の浪人が、行く先々で毎回様々な事件に巻き込まれ三人で協力して事件を解決する(大体悪党がいるのでそいつを斬れば解決)というロードムービー的なストーリーです。

浪人と言いつつなんだか妙に小綺麗な格好の矢坂平四郎(演:高橋英樹)と、いかにも腕自慢の浪人という風体の久慈慎之介(演:役所広司)、浪人というよりは商売人というイメージの燕陣内(演:春風亭小朝)が初期メンバーの「三匹」。

矢坂平四郎は仲間内のあだ名を「殿様」と言います。
なぜ殿様なのかというと、はっきりとした出自の分からない彼を燕陣内が持ち物から「さる大名の子息」ではないかと推測したことからついたあだ名です。

矢坂平四郎のあだ名の元になった持ち物は刀です。彼の愛刀は堀川国広。
「三匹が斬る!」にははっきりとした年号は出てきませんが、後の方のシリーズで「吉良上野介の子孫」というキャラクターが登場するので、江戸時代の後期らしいことが伺えます。
江戸時代、堀川国広の刀といえば大名家や大金持ちが所有していた超ブランド刀です。そのため、そのあたりをぷらぷらしている浪人が持っているわけがない=きっと大名の訳ありの子息ではないか、という推理になるわけですね。

そして、久慈慎之介の愛刀は同田貫正国。と聞くと、いかにも荒っぽく豪快な戦い方をしそう!用心棒っぽい!と思いませんか。

こんな風に、キャラクター造形をする上で刀はそのネームバリューで、ある種のイメージを作り上げられるアイテムです。ただ、その効果を得るためには見る方の人間に「○○の刀はこういうイメージ」という前提知識が必要なのですけども。

実際、子どもの頃は刀の名前が出てくるセリフを聞いても意味がわかりませんでした。刀に興味を持つようになった後でいろんな時代劇のキャラクターがどんな刀を使ってるのか気になって調べてみて、ガッテン!ガッテン!した次第です。

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