銘の話 その1「銘を切る」
今回から少し、銘についての話をしたいと思います。
日本刀には銘が入っています。
銘とは何かというと、その刀を作った刀工の名前を茎に刻んだものです。刀工以外にも、刀の持ち主や制作依頼主の名前の名前、制作の経緯、試し切りをした結果などを入れることもあります。
作られた刀に銘を入れることは古くから定められているため、特別な事情がない限り刀には銘が入っています。
では、銘はどうやって入れるのでしょうか?
刀工が「たがね」という道具を使って刻みます。この行為を「銘を切る」と言います。
日本刀の展示やイベントに行くと、刀ではなく小さな金属板に刀工の方が「銘を切る」実演販売をされています。
こちらはフックン(@fukkun0119)さんが撮影した川崎晶平刀匠の銘切りの様子。
コチコチコチコチ…と文字が刻まれて行きます。
あらかじめペンで金属板に下書きをしているとは言え、初めて見た時は「え、早い!」と思うくらいすぐにできあがります。
銘は刀と一緒にそれからずっと残って行くものです。その字が不恰好だとちょっと格好悪いですよね。
若い刀工は弟子入りすると刀の作り方と一緒に字も練習するそうです。将来独立した時に格好良い銘を入れるための訓練ですね。
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