伝統工芸木炭生産技術保存会のご紹介
今回は日本刀の製作に必要なあるものを供給し続けるために活動している団体をご紹介します。
岡山県瀬戸内市を拠点に、日本の伝統的な技術で木炭を生産している「伝統工芸木炭生産技術保存会」(公式Twitterは@denmokutan)です。
日本刀の鍛錬にはアカマツの木から作る「松炭」を使用します。ですが、林業の高齢化によって山の手入れが行き届かなかったり気候の変動などで、材料になるアカマツの木が手に入りにくい状況になっていました。
そこで、植林から製法に関わる専門知識と技術の継承までを行う団体が発足したということだそうです。
こちらの団体(現在は合同会社として法人化しているので、正確には企業と呼ぶべきでしょうか)では、木炭と関連商品の販売のほか、賛助会員(企業・団体向け)とサポート会員(個人向け)を募集しています。
私もサポート会員に入会して色々と特典をいただいたので、ご紹介します。
入会の申し込みは公式サイトの「サポート会員入会申し込みフォーム」に必要事項を記入して送信します。
入会金はなく、年会費3,000円を入会時と更新時に銀行振込でお支払いする形。サポート会員にご家族で申し込むと全員で年会費が5,000円になります。
入会時の特典は、以下の7つ。いくつか実物の写真を載せておきますね。
- 会員証発行
- アカマツの記念植樹(数年分がまとめて行われます)
- 書籍「おかやまに伝わる炭焼き」
- 木炭のサンプル
- 会報誌「もくたん通信」(年4回発行)
- メールマガジン「もくたんニュースレター」(月1回発行)
- イベント優先案内
公式サイトをご覧いただくと分かるのですが、実は入会特典でいただける書籍「おかやまに伝わる炭焼き」は、年会費と同じ3,000円(税抜)です。つまり、初年度の年会費はこの本をいただくとで元が取れてしまうわけで…(いいのかな?)。2年目からの年会費が実質的なサポートになります。
岡山を中心に活動されている団体なので他県の住民だと気軽に現地に赴くことはできませんが、メルマガや会報誌を読んでいるだけでも林業や炭焼きについて知ることができて面白いですね。
日本刀に興味を持ってしばらくした頃、材料にも興味が出てきました。玉鋼は奥出雲の日刀保たたらで毎年真冬に操業が行われている様子が日刀保の会報誌「刀剣美術」で報告されるのですが、刀鍛冶のみなさんがガンガン燃やしている炭は一体どこから来るんだろう?と気になったのが始まりでした。
記念植樹で植えていただいたアカマツが炭焼きに使えるようになるには20年から30年ほどかかります。今、若手として活躍している現代刀工のみなさんがベテランになる頃、もしかすると鍛錬で使われるかもしれない。
なかなかに気の長い話ですが、楽しみです。
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