刀剣鑑賞作法のポイント 1.袱紗の使い方
以前ご紹介した、「刀剣鑑賞作法 〜初めて触れる日本刀〜」冊子の中で、文章だけではちょっと分かりにくいポイントを少しずつ解説します。
1回目は7Pに書かれている袱紗の使い方です。
袱紗だったりネルだったりしますが、とにかく手を添える時に使う布の使い方ですね。
そして、刀身の棟(峯)にのみ軽く当てて、支えます。平地(刃先)に当てると、ヒケ(傷)がつくのでやめて下さい。怪我をする可能性も有ります。
この時、刀身をネルの上で、滑らせて鑑賞する方が時々見られますが、感心しません。支える位置を変える際は一度ネルから刀身を浮かせて移動させて下さい。またネルの上で刀が横方向にずれないよう注意してください。
というところです。刀身の部分名称が頭に入ってないと、説明を聞いても「えっ?えっ?」と思っている間に次へ行ってしまいますよね。
棟(峯)は刀身の刃がついてない側です。まずそれを覚えましょう。
下の図は右手で刀身を持っていて、左手で袱紗やネルを取って使う場合を表しています。袱紗・ネルはあくまで刀身を取り落とさないように支えのために添えて使う物なので、軽く当てる程度で。
同じ状態で刀身の断面の方向で見てみましょう。
刀身の平らな部分に布が当たると傷が入ってしまいますので、当てないように。
布の上で刀身を滑らせるとつい布が当たってしまいがちなので、説明文にあるように一度刀身を浮かせて添える点を移動します。
あくまで袱紗やネルは「支えるために添えるだけ」です。
かさねの厚い刀身は袱紗を添えていても持ち上げる際に女性の手には重く感じるくらい重量感がありますので、注意深くゆっくり動くようにしましょう。
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