刀剣鑑賞作法のポイント 2.刀身を持ち上げる時
以前ご紹介した、「刀剣鑑賞作法 〜初めて触れる日本刀〜」冊子の中で、文章だけではちょっと分かりにくいポイントを少しずつ解説します。
2回目は8Pに書かれている「手に取る」のポイントです。
鑑賞の際、刀はこんな感じで下に枕という小さなクッションを挟んで置かれています。
まず柄(茎)をしっかり握る。その際、握った柄を高く上げる事なく、刀身を枕から浮かしてから、持ち上げます。
枕に異物がついている可能性が有りますので、御刀を引いたりせず、静かに浮かします。
刀身を持ち上げる動作の時に気をつけなければならないのは、この2つです。
- 切っ先をぶつけないように気をつける
- 刀身を傷付けないように気をつける
この二つを守るために上の引用文のようになっていますが、文章で見ると分かったような分からないような微妙な感じですね。
下の図のようにそのまま真上に持ち上げるのが理想なのですが、刀身自体に長さがあるので持ちにくいですし、力加減が分からなくてもしょうがないと思います。
女性の方の場合、かさねの厚い重たい刀を持つ時は無理に一気に持ち上げようとすると危ないです。
やってはいけないのは下の図のような動きです。
茎を手で持って、そのまま茎の方だけを持ち上げる動作ですね。当然のことながら、枕を支点として切っ先は下がってしまいます。
これをやってしまうと、下の台などに切っ先が当たってしまいます。刀は切っ先が命なので、これは避けてください。
一気に持ち上げる自信がない場合は、下の図のように最初に切っ先の方を枕から心持ち上げて全体の重さの感触をつかんでから、全体を持ち上げると安全です。
刀身を持ち上げる動作は、刀の扱いに慣れている方ほど素早く動かれます。
鑑定会の時などに気軽にひょいひょいと扱っている人は大概が刀剣商など日常的に刀を扱われている方なので、初心者が真似する必要は全くありません。
慣れていない人がゆっくり動くことを責める人はいませんので、慎重にゆっくり扱いましょう。
くれぐれも「ご安全に」!
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